人類が初めて遭遇したウイルスはスペイン風邪

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スペイン風邪と豚インフルエンザ

スペイン風邪は1918年3月にアメリカで発生した毒性の強いインフルエンザですが、その年の6月からアメリカ国内で感染爆発(パンデミック)が始まったとされています。

スペイン風邪と豚インフルエンザ

この時期は第1次世界大戦中だったため、米軍とともにヨーロッパに感染が広まりました。秋には全世界中に流行し、翌年春にもう一度流行が起こり、1918年の秋に終息に向かいました。

 

感染者は世界の人口の約半分が感染しました。
発症したのはそのうち半分で病原性が高かったために、死亡例は2000万人以上との推定があります(割合や数値に関しては諸説あります)。

アメリカでの死亡者は南北戦争(50万人)、第二次世界大戦(40万人)よりも多い、60万人以上が死亡しています。死因の第一位は二次的細菌性肺炎でした。しかし、亡くなった人の肺をいくら検査しても細菌が見つからないことからウイルスによる感染が疑うようになったとのことです。





A型H1N1亜型であることが判明

スペイン風邪と豚インフルエンザ

当時はインフルエンザウイルスそのものがまだ分かっていませんでしたので、当然ワクチンもなく、最初の大流行でたくさんの人が免疫を獲得しましたが、その後何度も流行しました。

この時のインフルエンザウイルスが何型でどのようなRNAを持っていたかに関しては当然不明でした。1997年スペイン風邪で死亡した遺体がアラスカ凍土で発見とその肺組織からウイルスゲノムが採取可能で、ウイルスゲノムを解読したところ、A型H1N1亜型であることが判明しました。

当初鴨の病気が豚に感染し、そこから人に広まったとの報告があったことから豚インフルエンザウイルスが原因と長い間推定していましたが、この発見によりトリインフルエンザウイルスが突然変異により、人への感染性を手に入れたとの推定が主流となりました。

豚インフルエンザウイルスの濡れ衣はほぼはれています。

戦争なみの威力 スペイン風邪

現在までのインフルエンザサーベイランス(各国でのヒト、トリ、豚インフルエンザウイルスの型と亜型の疫学的研究)によると、スペイン風邪は人類が初めて遭遇したウイルスの大流行としています。

スペイン風邪の特長は20代から30代の死亡率が高かったことが現在も謎となっています。通常は小児や高齢者の死亡率が高いことが通説です。この謎の解明として高齢者はすでに抗体を持ってと推定している研究者もいます。

この仮説は今となっては当時の高齢者が抗体を持っていたことを確かめることができないので、否定はできませんが、検証もできないという、科学にとってはやっかいな仮説です。