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鳥インフルエンザの2つの病原性の脅威と拡大ロジックを理解しよう

かねてよりニュースで騒がれておりますが、日本へも新型のインフルエンザが上陸したことで、私たちの生活が脅威にさらされています。

 

その一つに鳥インフルエンザがあります。鳥は身近な生き物だけあって鳥類に新型のウイルスが蔓延するとなるとちょっと怖いですよね。

 

そもそも、鳥インフルエンザとはどのようなウイルスなのでしょうか?

 

鳥インフルエンザとは?

鳥インフルエンザの2つの病原性と感染拡大ロジック
インフルエンザウイルスは、A型、B型、C型に大きく分けられますが、鳥インフルエンザとは、A型のインフルエンザウイルスが、鳥類に感染しておこる鳥の感染症です。人に感染するインフルエンザウイルスとは別のウイルスの感染症に位置づけられます。

 

 

鳥インフルエンザには、家禽(かきん)と言われる鶏・アヒル・七面鳥などに対する病原性の強さから高病原性低病原性に分類されています。鶏などが高病原性のウイルスに感染すると、高い確率で死亡します。野鳥は感染してもほとんど発病しません。

鳥インフルエンザの2つの病原性と感染拡大ロジック鳥インフルエンザの2つの病原性と感染拡大ロジック

※家禽(かきん)とは鶏(ニワトリ)やアヒルなど家畜とする鳥類の総称です。


 

 

鳥たちにはどのようにインフルエンザ感染が拡大するのか

鳥インフルエンザの2つの病原性と感染拡大ロジック

感染経路としては、鳥インフルエンザに感染した野鳥の排泄物が原因となります。それらの飛沫によって汚染されたエサや水を介して、鳥同士が感染すると考えられています。

 

また、毎年11月頃から、中国、韓国から渡り鳥が日本にやってきますが、これら渡り鳥が、海外で発症したウイルスを運んできます。

 

つまり、渡り鳥が鳥インフルエンザウイルスを運ぶ媒体になっているようです。

 

その他にも、人が知らず知らずのうちに海外から持ち込んでいることが考えられます。





人にも感染する?

ヒトへの感染例が確認されている鳥インフルエンザウイルスの型は、H5N1亜型、H7N7亜型、H7N9亜型、H9N2亜型などがあります。

 

これらのHxxNyyという記号で表示される型ですが、「亜型」と呼ばれてインフルエンザウイルスの構造で決まります。

 

A型インフルエンザウイルスにはHAとNAの型が特に多く、これまでHAに16種類、NAに9種類の大きな変異が確認されています。その組み合わせがHxxNyyで表示され、亜型とします。

 

H5N1亜型ウイルスは、いまのところ、一般の人に感染する危険性はきわめて低いですが、感染した鳥やその排泄物、死体、臓器などに濃厚に接触することによってまれに感染することがあります。これまで、人から人への感染例はありません。また、鶏肉や鶏卵を食べて人に感染した例もありません。

 

一方、H7N7亜型ウイルスはヒトからヒトへの伝染が確認されており、致死率は低いのですが、2003年にオランダの養鶏場で感染者1名の死亡例が知られています。

 

2013年、H7N9亜型が中国で人に感染した事例が発生しました。2014年現在まで、死者は66人に達しています。ヒトからヒトへの感染例は見つかっていません。

 

鶏肉や鶏卵を食べて、人に感染したという症例は、世界的に報告はないようです。
鳥インフルエンザは、加熱すると感染性はなくなりますので、もしウイルスに感染している鶏肉を食べてしまっても、加熱してあれば感染の心配はありません。食中毒を防止するうえでも、十分加熱しましょう

 

今後、心配されるウイルスの突然変異

鳥インフルエンザの2つの病原性と感染拡大ロジック

これまで、弱毒ウイルスが強毒に変異し、多くの家きんが処分されてきました。
今までの事例においては、水きん類が保有する弱毒ウイルスが鶏や七面鳥に感染が繰り返される間に強い毒性を持つウイルスに変異することが確認されています。

 

主に、「鳥から鳥へ」が感染パターンでしたが、鳥との密着度が高い場合やウイルスの突然変異などで、「鳥からブタへ」あるいは、「鳥からヒトへ」感染する可能性があります。

 

ヒトインフルエンザと混じり合い、ヒトとヒトの間で感染する能力を持つウイルスが生まれてくるかも知れません。

 

そうなると、最も恐れられているパンデミックが現実に起こり、映画の中での話ではすまなくなりそうです。

 

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H5N6型 高病原性鳥インフルエンザA(亜型) 日本上陸

2016年11月18日、鹿児島県出水市で採取された水に、高病原性鳥インフルエンザA  H5N6型が確認されました。この水はツルのねぐらの水であり、ここから約2.4キロ離れた場所で死んだナベヅルが発見されています。

 

ツルの死骸からはA型インフルエンザウイルスの陽性反応が出ました。

 

H5N6型の始まりはいつ?

2014年4月以降、中国でヒトへの感染が確認された高病原性鳥インフルエンザウイルスAのH5N6型は、中国で15人が感染、うち6人が死亡しています。

 

2016年11月、韓国では11月28日時点で家禽のアヒルと鶏の131万羽が殺処分されました。

 

そして11月29日、日本の新潟において約31万羽の殺処分が始まっています。

 

11月29日現在では、日本韓国いずれにおいてもヒトへの感染の報告はありません。

 

11月28日の韓国の農林畜産食品部の発表によると、韓国内で採取されたH5N6型高病原性鳥インフルエンザAを4件分析したところ、中国や香港で採取されたH5N6の遺伝子と99%一致したといいます。
しかし、内部遺伝子であるPA遺伝子やNS遺伝子においては、92〜97%の一致だったとし、変異が見られることを明示しました。

 

ウイルス変異とは、野鳥が2つ以上のウイルスに同時に感染すると、ウイルスの遺伝子が鳥の体内で交換されてしまうことから発生するようです。
つまり、その結果病原性が増し、予防が困難になるということを意味します。

 

鳥インフルエンザウイルスの変異

 

韓国では鳥インフルエンザには強いはずのアヒルが多く犠牲になっています。

 

日本での殺処分は11月29日現在では鶏のみですが、青森でアヒル10羽の死亡および9羽から鳥インフルエンザの陽性反応が出ていますので、更に病原性の高まった鳥インフルエンザウイルスの蔓延が懸念されます。

 

日本国内でもヒトへの感染、更には死亡例が発生する可能性がなきにしもあらず。基本的な予防対策を怠らないよう十分に注意しましょう!

 

情報元:KBS NEWS、KBS WORLD Radio News、NHKニュース、毎日新聞

日本国内の鳥インフルエンザの発生状況

人への感染が確認され、近年では世界的に危険視されるようになった鳥インフルエンザですが、鳥インフルエンザそのものは決して新しい病原菌ではなく、古くは100年以上も前から発生が確認されており、日本でも少なくとも1920年代には発生が確認されていたようです。

 

また、鳥インフルエンザが確認されても、高病原性(鶏に感染した場合に高確率で死亡する種類の鳥インフルエンザウイルスでA/H5,A/H7のタイプのもの)でなかったり発生規模が小さなケースだと、大きく報道されない場合もありますが、日本でも毎年のように鳥インフルエンザが確認されています。近年の主な発生状況は次のようになっています。

 

1996年 5N4型が日本(北海道)で確認される。

 

2004年 山口県や京都府の養鶏場で、H5N1型による最大10万羽以上の死亡事例などが発生。

 

2005年 茨城県や埼玉県の採卵養鶏場などからH5N2型の陽性反応。

 

2007年 宮崎県や岡山県内の養鶏場などから、H5N1亜型などの高病原性鳥インフルエンザが発生。

 

2008年 東北・北海道の野鳥の死骸からH5N1型が見つかる。

 

2009年 愛知県のウズラ飼養農場から、日本で初めて高病原性の鳥インフルエンザ「H7N6亜型」が見つかる。

 

2010年 北海道で採取されたカモの糞などから検出される。また、島根県の採卵鶏養鶏所からもH5N1亜型の陽性反応。

 

2011年 兵庫県や福島県の野鳥の死骸からH5N1亜型が検出されたほか、宮崎県内で10例以上の H5N1亜型が確認された。

 

2016年 青森県において11月28日に高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜が確認され12月1日にH5N6亜型と確定。その後、同年にて新潟県関川村、新潟県上越市、北海道、宮崎県川南町でも発見されています。

 

鳥インフルエンザの感染を防ぐために

2016年は過去最悪のペースで感染が確認されるなど、鳥インフルエンザは突然に流行します。鳥インフルエンザが流行したとき、その感染を防ぐためには、次のようなことに注意が必要です。

 

安易に野鳥や野生動物、その死骸には近づかない(鳥インフルエンザに感染した鳥の死骸などを食べて鳥インフルエンザに感染したと思われる野生動物の事例も報告されています)。死骸を見つけても自分で処理せず、保健所などに連絡する。また、鳥の糞を掃除するときなどは、手袋やマスクを着用して作業し、作業後は手洗いなどを徹底する。

 

鳥のエサになるようなゴミを放置しない。マンションのベランダなどには、防鳥ネットやワイヤーなどで鳥が近づけないように配慮する。

 

犬や猫などのペットを飼われている方は、ペットが野鳥やその死骸、糞などに誤って触れたり食べたりしないように注意する。

 

胃酸でウイルスも弱くなるため、人が鶏肉や卵を食べることで鳥インフルエンザに感染した事例は確認されていませんが、予防の観点からは、鶏肉や卵などは全体に70℃以上の熱が加わるようにしっかりと加熱調理し、調理に使用した包丁やまな板などの器具もよく洗浄・消毒することが望ましいと考えられます。

 

鳥インフルエンザが流行している時期に動物園などにいく場合は、マスクを着用するほか、鳥が直接ふれた可能性のあるもの(手すりや柵など)などには、触れないようにする。また、ペンギンも鳥類ですので、鳥インフルエンザに感染する場合があります。水族館でもペンギンを飼育しているところは注意が必要です。

 

海外へ渡航する際には、内閣府や外務省のサイトで、国外の鳥インフルエンザの発生状況や渡航規制などを確認しておく。流行地域を避けるか、少なくとも養鶏場や鶏生肉などが置いてある市場、動物園・サファリパークなどには行かないようにする。野鳥や野生動物、その糞などにも近づかないようにする。
※海外の状況:http://www.forth.go.jp/topics/fragment2.html

 

 

そのほか、厚生労働省や環境省のサイトなどで、最新の鳥インフルエンザの状況を確認しておくようにしましょう。

 

 

 

鳥インフルエンザA型(H5N1型)の症状(人が感染した場合)

こどものインフルエンザCの鼻風邪症状鳥からヒトに感染した鳥インフルエンザA型(H5N1型)は、急性気道感染症と定義されます。通常、ヒトのインフルエンザは潜伏期間が1〜3日程度と言われますが、鳥インフルエンザA型(H5N1型)の場合は、潜伏期間が2〜8日程度(1〜5日程度という説もある)と比較的長めです。

 

感染すると、呼吸時の異音や呼吸窮迫、頻呼吸、肺炎といった呼吸器の症状や高熱など、インフルエンザと同じような症状がみられ、呼吸不全が深刻化するとARDS(急性窮迫性呼吸症候群)の症状を伴います。
死亡者が発生したケースでは、発症から死亡まで平均10日前後ですが、事例によって6〜30日と開きがあります。死因の多くは呼吸不全によるものとなっています。※感染後の死亡率はなんと約60%とまで言われています。

 

なお、WHOの報告によると、2003〜2016年で鳥インフルエンザA型(H5N1型)の確定症例で死亡例が多く報告されている地域は、エジプト(359件/うち死亡例119件)、インドネシア(199件/うち死亡例167件)、ベトナム(127件/うち死亡例64件)、中国(53件/うち死亡例31件)となっています。

 

 

鳥インフルエンザ対策を語った便乗商法に注意

ある病気の流行したり、未知の病原菌が発見されたりすると、それに便乗して根拠のない対策グッズや非科学的なニセ薬が氾濫することがあります。
例えば最近では、塩素系の蒸気を発生させることでインフルエンザなどの予防ができる空間除菌グッズなどを発売していた複数の企業が、効果があるかどうか不鮮明として消費者庁から景品表示法に基づく措置命令を受けています。

 

鳥インフルエンザについても、科学的根拠に乏しい対策グッズなどが販売される恐れがありますので、消費者として、そういったものを信用しない・手を出さない姿勢が大切です。

 

 

鳥インフルエンザだけじゃない!人にうつる鳥の病気

鳥からヒトに感染する恐れのある病気は、鳥インフルエンザだけではありません。例えば、下にあるような病気がそうです。鳥から感染する病気は多くの場合、鳥インフルエンザと同じように鳥の糞や死骸などを媒介して感染するものが多いので、「野生動物に近づかない」、「鳥の糞を清掃するときには手袋などをはめる」といった、同じような対策が感染予防に有効です。

 

クリプトコッカス症

クリプトコッカス菌というカビが原因となる感染症の一種。人の発生率は少ないものの、横浜衛生研究所の調べによれば、致命率10%以上と言われる、鳥インフルエンザ同様に危険な感染症です。ハトをはじめとした鳥類の糞に、クリプトコッカス菌が紛れ込んでいることがあり、それを媒介してヒトや犬猫などに感染します。
感染経路としては、犬や猫がハトの糞にいたずらして感染してしまい、そこから飼い主に感染したり、風などで舞い上がった乾燥した糞をヒトが吸い込んでしまったりすることで感染します。

 

 

鳥クラミジア症

クラミドフィラ・シッタシという細菌から発生する鳥の感染症で、オウム病とも呼ばれます。ヒトに感染した場合の主な症状は、器官や肺の炎症などです。鳥インフルエンザや先のクリプトコッカス症と同じく、感染した鳥の糞などを媒介して伝播します。

 

ニューカッスル病

ウイルス性の感染症で、症状が鳥インフルエンザと似ているため、誤診されやすい鳥の病気です。伝播力が強く、特にニワトリが感染しやすいと言われます。ヒトへの感染はまれですが、人間に感染すると、インフルエンザのような症状や結膜炎などを引き起こします。こちらもやはり、感染した鳥の糞などを媒介して伝播しますので、糞の処理や消毒などが有効です。

 

 

サルモネラ食中毒

サルモネラ属の細菌から感染する食中毒の一種で、日本で発生する食中毒のなかでも発生件数の多い部類に入ります。鳥の糞などから感染するケースもありますが、人間への感染は鶏卵や鶏肉などを媒介して発症するケースが多く、発症すると下痢や嘔吐、腹痛、発熱などを伴います。予防方法は、鶏肉や卵はよく加熱してから食べることです。